事業承継への第一歩 第1弾『ファミリービジネスの魅力と課題』
目次
こんにちは、ブロードリーフの楠本です。突然ですが、皆さまの工場は、次世代にしっかりと引き継ぐ準備ができていますか?
「忙しくて先延ばしにしている」「何から始めればいいかわからない」という声をよく聞きます。そこで今回は、整備工場を営む皆さまにとって身近な「事業承継」をテーマに、課題とその解決策を、数回に分けてご紹介いたします。
ファミリービジネスとは?
ファミリービジネスとは、創業者やその家族が経営に深く関わる企業のことです。トヨタ自動車やサントリーのような大企業だけでなく、中小企業にも多く見られる形態です。
整備工場の事例
ある地域の整備工場では、創業者が高齢となり、息子が後継者として経営を引き継ぎました。承継後、息子はSNSを活用して地元のお客様をターゲットにしたキャンペーンを展開し、売上を20%伸ばしました。この成功の背景には、以下のポイントがあります。
- ■親世代が蓄積した顧客との信頼関係を活かしたこと。
- ■若い世代の新しい発想で市場開拓を行ったこと。
ファミリービジネスの主な特徴
- 1. 迅速な意思決定:外部の干渉を受けにくく、スピーディーに意思決定が可能です。
- 2. 長期的視点の経営:世代を超えた視点で、安定的な成長を目指せます。
- 3. ノウハウの継承:技術や知識が自然に家族内で共有され、競争力を維持できます。
ファミリービジネスの強み
ファミリービジネスには、以下のような大きな強みがあります。
- 1. 迅速な意思決定
- 所有者と経営者が同じであるため、投資や戦略の決定が迅速です。
- 2. 一貫した経営理念
- 短期的な利益に振り回されず、長期的なビジョンを維持できます。
- 3. 家族の絆を活かした団結力
- 家族内の信頼が、従業員や取引先との関係強化にもつながります。
- 4. 若い経営者による変革力
- 新しい価値観やアイデアを取り入れることで、蓄積されたノウハウと掛け算し、イノベーションを起こせます。
ファミリービジネスが抱える課題
ファミリービジネスには特有の強みがある一方で、次のような課題も存在します。これらを認識し、適切に対処することが重要です。
- 1. 後継者の選定と育成
- 「次の経営を誰に任せるか?」これは多くのご家庭で頭を悩ませるところです。家族の間で意見が割れることもありますし、後継者が経営に必要なスキルをまだ十分に持っていない場合もあります。そのため、計画的に経験を積ませることが大切です。
- 2. 経営の透明性の確保
- 家族経営だと、「自分たちでわかっていればいい」という感覚になりがちです。でも、それでは外部の信頼を得にくく、銀行や取引先との関係がぎくしゃくしてしまうことも。情報を整理して、必要な人にきちんと見せる努力が求められます。
- 3. 家族間の摩擦
- 意見が合わなかったり、「あの人ばかり優遇されている」と感じたりして、家族の中でぶつかることもあるでしょう。こうした問題は、早めに話し合いの場を設けることで解決しやすくなります。
- 4. 属人的な経営からの脱却
- 創業者の「顔」や「つながり」に頼りすぎた経営は、後を引き継ぐ人にとって負担が大きいです。組織としての体制を整え、属人的な部分を減らしていくことが必要です。
- 5. 事業全体の経営スキルの向上
- 「経営って何から始めればいいの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。財務や戦略の知識は、経営者だけでなくスタッフ全員で学び、共有することで、より強い組織が作れます。
事業承継への第一歩
事業承継をうまく進めるには、次の2つのポイントを押さえることが大切です。
計画的な準備
「準備は大事」とはよく言いますが、事業承継でも同じことが言えます。具体的にはこんなことを進めましょう。
- ■経営理念や戦略を明文化する
- 「どんな会社を目指したいか」を共有できるように、ビジョンを言葉にして家族や従業員と話し合ってみてください。
- ■後継者の育成
- 実際の現場で経験を積ませながら、経営や財務についての学びも同時に進めるのがおすすめです。
専門家の活用
「一人で抱え込むのは難しい」と感じたら、専門家に相談するのが一番です。こんな場面で頼りになります。
- ■事業承継計画の策定
- 中小企業診断士や税理士などに相談すれば、承継計画を具体化するお手伝いをしてもらえます。
- ■税務や法務のサポート
- 株式の引き継ぎや相続の手続きは複雑ですが、専門家に相談すればリスクを減らすことができます。
このように進めることで、事業承継がスムーズに進むだけでなく、家族や従業員との信頼関係も深まります。
次回予告
次回は、具体的な事業承継のプロセスや成功事例についてご紹介します。「何をどう始めればいいのか」具体的な手順を知りたい方は、ぜひご期待ください!