GXって、うちの工場にも関係ある?専門知識ゼロの私が、社内のプロに根掘り葉掘り聞いてみた。

最近、ニュースや新聞でよく見る『GX(ジーエックス)』って言葉、うちには関係ない大手企業の話でしょ?

自動車整備工場や部品販売店の経営者様、工場長の皆様、日々の業務に追われる中で、そう感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

こんにちは!株式会社ブロードリーフのWeb担当、鳥谷です。

正直に言うと、私も最初はそう思っていました。「GXって何かの略語…?」「環境問題って、もっと大きな会社が取り組むことでは…?」と。

しかし、社内でもGXの専門家として知られる和泉さんに話を聞いてみると、どうやら他人事では済まされない、むしろ企業にとって大きなビジネスチャンスが隠されていることが分かってきました。

この記事では、専門知識ゼロの私が読者の皆様の代表として、素朴なギモンを和泉さんにぶつけ尽くします!「GXって結局何なの?」から、「具体的に何から始めればいいの?」まで、ぜひ一緒にお付き合いください。

【第1章】そもそもGXって何? なぜ、今さら私たちの業界で話題に?

鳥谷:「和泉さん、本日はよろしくお願いします!早速ですが、本当に初歩的なことから…。『GX』って、一体何なのでしょうか?よく聞く『CSR(社会貢献活動)』とは違うんですか?」

和泉:「良い質問ですね!GXとは『グリーントランスフォーメーション』の略です。簡単に言えば、『地球に優しく(グリーン)』と『会社の成長(トランスフォーメーション)』を、両立させていこう!という取り組みです。」

「CSRは、利益とは別に考えるボランティア活動のイメージが強いですよね。一方、GXは違います。環境への取り組みを、しっかり会社の利益・成長に繋げていく。収益がなければ継続できませんからね。ここが決定的な違いです。」

鳥谷:「なるほど!ボランティアではなく、事業として取り組むんですね。でも、なぜそれが私たち自動車アフターマーケットの事業者に関係してくるのでしょうか?」

和泉:「理由は大きく4つあります。これはもう、『知らないとマズい』レベルの話になってきています。」

理由①:「GXやってないなら取引しない」時代の到来

和泉:「先日、トヨタが『取引先にも環境への取り組みを要請していく』というニュースがありました。これは他人事ではありません。今後、大手メーカーやディーラーは、サプライチェーン全体で環境負荷を減らすことが求められます。そうなると、『うちはGXに取り組んでいます』という工場と、『何もしていません』という工場、あなたならどちらと取引を続けますか?という話になるんです。」

鳥谷:「うわ、シビアですね…。選ばれる側になるには、対応が必須だと。」

理由②:「給料が同じなら、働く環境、設備が良い職場で働きたい」

和泉:「最近の若い世代は、環境問題への意識が非常に高い。実際に、『同じ給料なら、クリーンな環境で設備が良い職場で働きたい』という理由で就職先を決めた例も出てきています。GXへの取り組みは、会社のブランドイメージを上げ、人手不足を解消する武器にもなるんです。」

理由③:お客様も見ています。「応援したい工場」になる

和泉:「SDGsという言葉が当たり前になった今、消費者もお店を選ぶ基準が変わりつつあります。例えば、地域の清掃活動や植樹イベントなどを通じて、『〇〇モータースは、地域や環境のことを考えてくれる良い会社だ』と認知されれば、『どうせ車検を頼むなら、あのお店を応援したい』というファンが必ず生まれます。」

理由④:今の仕事を、10年後も続けるために

和泉:「極端な話ですが、もし地球温暖化が進みすぎて、『暑すぎて、日中に屋外で車を整備するのは危険』という世の中になったら、私たちの仕事は成り立ちません。今の事業を、未来の子供たちの世代まで安心して続けていくためにも、自分たちの足元から持続可能な社会を創っていく必要があるんです。」

【第2章】理屈は分かった。でも、お金も時間もない…何から始めればいいの?

鳥谷:「重要性はよく分かりました…。でも、正直なところ、新しい設備投資をする余裕なんて無い、ということもあると思います。何から手をつければ良いのでしょうか?」

和泉:「大丈夫です!GXは大きな投資だけではありません。明日から、いえ、今日からでも始められる『ノーコスト・ローコストなGX』がたくさんあります。3つのステップで考えてみましょう。」

【ステップ1:省エネ】 まずは減らすことから。コスト削減にも直結!

和泉「一番簡単で、効果が分かりやすいのが省エネです。一番のおすすめは、工場やオフィスの照明をLEDに交換すること。」

鳥谷「LED!それはもう実践している工場も多そうですね。」

和泉「そうなんです。でも、目的を『電気代の節約』だけでなく、『GXの第一歩』と捉えることが重要です。コストが下がり、工場内が明るくなって作業効率が上がり、さらに環境負荷も減る。まさに一石三鳥ですよね。他にも、電力の使用状況が色で分かる『電力表示クロック』を設置して、従業員の省エネ意識を高めるのも面白いですよ。『あ、今ピークで赤色だから、コンプレッサーを使うのは少し待とう』といった工夫が生まれます。」

【ステップ2:地域貢献】 お客様との絆を深める活動

和泉:「次に、少し視点を変えてみましょう。例えば、地域の植樹イベントに参加・主催してみる。これは一見、事業に関係ないように見えますが、絶大な効果があります。」

鳥谷:「と、言いますと?」

和泉:「イベントを通じて、お客様やそのご家族とコミュニケーションが生まれますよね。『〇〇さん、この前はお子さんと木を植えてくれてありがとう!』なんて会話から、ただの『整備工場とお客様』ではない、人間的な繋がりが生まれます。こうした活動で生まれたファンは、ちょっとやそっとのことでは他社に流れません。安定した経営の土台になるんです。」

【ステップ3:創エネ・再エネ】 未来への投資

和泉「これは少しハードルが上がりますが、将来的な選択肢として。工場の屋根に太陽光パネルを設置すれば、自社で使う電気を賄えるだけでなく、災害時には地域の避難場所として電力を提供することも可能です。また、電力会社を『再生可能エネルギー100%』のプランに切り替える、という選択肢もあります。これなら、設備投資なしで環境に貢献できます。」

【最終章】GXが目指す未来。「楽になるし、儲かる」ってホント?

鳥谷:「和泉さん、お話を聞いて、GXは単なる環境活動ではなく、経営そのものなのだと感じました。GXに取り組んだ先には、どんな未来が待っているのでしょうか?」

和泉:「私たちが目指すのは、とてもシンプルです。GXを通じて、お客様である事業者の皆様に、『楽になって、儲かって、地球にも優しく』なってもらうこと。これに尽きます。」

「業務の無駄をなくして省エネを進めれば、残業が減り、コストも削減される(楽になる)。浮いた時間やお金を、新しいサービスや従業員に投資すれば、会社の競争力が上がり、収益もアップする(儲かる)。そして、その経済活動が、結果として持続可能な社会に貢献している(地球にも優しい)。」

鳥谷:「最高ですね!それなら、やらない理由はない、と感じます。」

和泉:「そうなんです。難しく考える必要はありません。まずは工場の蛍光灯を1本、LEDに変えてみる。その小さな一歩が、間違いなく未来を変える大きな一歩に繋がっています。ぜひ、楽しみながら取り組んでみてほしいですね。」

鳥谷:「未来が明るくなるお話、ありがとうございました!」

いかがでしたでしょうか?
「GX」という言葉への印象が、少し変わりましたか?
この記事が、皆様の会社でGXについて考える、最初のきっかけになれば幸いです。
さらに詳しく知りたい方は、関連用語をまとめた「GX用語集」もぜひご覧ください。

ライター

株式会社ブロードリーフ
マーケティング担当
鳥谷高志

お客様の課題に寄り添い、その解決に繋がる情報をお届けするため、Webコンテンツの企画・制作を担当しています。読者の皆様が本当に知りたいこと、そしてビジネスに役立つヒントを皆様のお役に立てますと幸いです。

監修

株式会社ブロードリーフ
GX担当
和泉真

グリーントランスフォーメーション(GX)を通じて、企業の持続的な成長を支援するGX担当です。環境と経営を両立させるための具体的な戦略や、自動車アフターマーケット業界のサプライチェーン全体におけるGXの可能性について、実践的な視点から情報を提供します。


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