【最新情報追記】令和6年8月からロービーム審査が本格運用開始
令和6年6月27日時点最新情報更新
ロービーム審査の計測方法についての続報です。
令和6年8月からカットオフラインが確認できない自動車に対応するために、ロービーム計測方法が見直されます。
対象となる自動車、計測値の判定が新たに設定されましたので、詳しくは自動車技術総合機構のお知らせをご参照下さい。
参照:自動車技術総合機構HP
カットオフラインが確認できない自動車などのロービーム計測について
URL:https://www.naltec.go.jp/topics/fkoifn000000j2v4-att/fkoifn000000j2w7.pdf
令和6年5月20日時点最新情報更新
ロービーム審査の本格運用開始が、一部地域で2年延期が決定しました。
令和6年8月から日本全国で本格運用開始される予定であったロービーム審査が、一部地域で2年延期が決定されました。
以下2点にご注意ください。
- 全国一律ではないため、皆様のエリアの陸運支局や振興会からの発表をご確認ください。
- 今回延期された地域も準備や調整が整い次第、地域ごとにロービーム審査へ移行する可能性があります。
※下記は、令和6年4月12日に公開された記事です。現在は掲載情報が異なる可能性があります。
ロービーム審査が本格運用開始
前照灯検査は、2017年9月から過渡期取扱として「すれ違い前照灯(以降ロービーム)での計測」が不合格になった場合、「走行用前照灯(以降ハイビーム)での計測」を行うことで、保安基準適合の合否判定が認められていました。
しかし、5年の周知期間が経過したこと、各地域の運輸局でロービーム用の検査機器が普及し設備が整ったことを背景として、令和6年8月1日からロービームでの計測が本格運用されることとなりました。
今回のロービーム審査の対象となるのは、平成10年9月以降に製造された自動車です。
OBD検査のように新型車が対象となるわけではなく、製造を基準として対象が指定されていることにご注意ください。
つまり、同じ型式の自動車であっても、製造年月日によってはハイビームでの計測が認められずロービームでの計測を行わなければならないということです。
では、今回の制度改定で、実際にヘッドライト計測はどのように変化するのでしょうか。
これまでの過渡期取扱では、ロービーム計測を一度行い、一定の基準に該当する場合はハイビーム計測で合否判定することが可能でした。車検を行う整備事業者にとっては“奥の手”を使うことができたのです。
しかし上記でもお伝えしたように、令和6年8月から本格運用が開始されることで、例外*を除き対象の自動車はすべてロービーム計測しか認められなくなってしまいました。
詳細な検査方法についてはこちらのリンクや国交省のwebサイトからご確認ください。
例外*…平成10年8月末日までに製造された車両
この制度改定による影響は、「ヘッドライト研磨やバルブの交換だけでは合格とならない」、
「単に車検が今よりも大変になる」だけではありません。
自動車整備事業者だけではなく、カーオーナー様へも大きな影響を与える改定なのです。
カーオーナー様への影響
実際に、カーオーナー様への影響としては何が考えられるでしょうか?
先述したように、今回の改定から奥の手であるハイビームでの計測が行えないので、保安基準に適合するためにはロービーム検査をクリアすることが絶対条件になります。
ライト表面が曇ってしまっていて光量が足りないのであればヘッドライトの研磨をしなければなりませんし、光軸が合わない場合も微調整を行わなければなりません。
そして万が一、ヘッドライトの内部レンズの白濁や熱による焼付き、反射板の劣化による光軸不良が発生することで、どれだけヘッドライトの表面がきれいであってもカットラインが出ずにロービーム審査不合格になるケースが増える可能性が考えられます。
このケースでは、ヘッドライト表面ではなく内側の問題ですので、分解交換やAssy交換が必要になってしまいます。
つまり、車検に関わるカーオーナー様の負担が増えてしまう可能性が考えられるということです。
※ヘッドライト内側からの焼付きやプロジェクタータイプのヘッドランプで「白内障」に似た症状が発生している場合など、磨きが必要だと思ったクルマの内何割かは交換しか打つ手はないということもあると聞いています。
この制度改正は整備振興会や整備事業者と普段から関わることの少ない多くのカーオーナーにはまだまだ広まっていません。ですので、車検見積の際にいきなり伝えるのではなく車検満期日のご案内や車検以外の一般整備や定期点検などでお伝えすることができると考えられます。
普段からコミュニケーションをとることで継続して整備を任せて頂けるきっかけになるのではないでしょうか。
もちろん、カーオーナーに法改正の内容を直接お伝えするだけでなく、定期点検時にお渡しする記録簿の備考欄で重ねて記載する“小さな親切”でカーオーナー様からの信頼獲得にもつなげられるのではないでしょうか。
預かり期間を減らす
ロービーム計測で不合格になってしまい、特にヘッドライト内側の劣化が原因で研磨等の表面加工で対処できないときなどは、ヘッドライトのAssy交換か分解交換を行うことになるとみられます。
そうすると、カーオーナー様だけでなく整備事業者の皆様にもコスト面での負担が発生します。
多くの場合、ヘッドライト(のAssyまたは部品)がすぐに手配できることは少ないです。部品商へ発注してから届くのに数日かかり、その間、保管スペースや台車管理もコストとして皆様の負担にななってしまいます。新規のお客様へは事前に告知することなどは難しいですが、既存のお客様であれば少しの工夫で預かり期間を減らすことができるかもしれません。
ご提案として、事前にお客様へ、法改正の情報提供と「車検当日にヘッドライト交換が必要になると、納車までに時間がかかる」ことを電話やメールなどでお伝えし、車両年式などから交換の恐れがある場合など、あらかじめ価格感や新品・リサイクル部品などの希望を伺っておくのも1つの手です。
カーオーナー様が費用を抑えたいというのであればリサイクル部品で交換することも選択肢として案内し、早めの入庫をお願いすることも有効です。
さらに、件数としては少ないと見られますが、今までユーザー車検のカーオーナー様が「ヘッドライト交換」のために入庫され、新規顧客として来店されるかもしれません。
リサイクル部品は価格的にメリットがある一方で、問い合わせに時間がかかること、車種やグレードによる適合確認が必要になりますので、手間と時間が多くかかってしまいます。某オークションサイトなどでは、商品が手元に届くまでは品質が確かめられない等の課題があります。すぐに見積として提案することは難しいのではないでしょうか?
マーケットプレイスなら…
そんな課題を解決するべく、弊社ではリサイクル部品に関して整備事業者の皆様と自動車部品リサイクル事業者様とでお取引いただける「マーケットプレイス」を展開しています。
下記の画像のように、弊社が用意していますマーケットプレイスからヘッドライトを検索し、
部品適合確認もサービス画面内のチャットウィンドウから直接行うことができます。
今までは、電話でのお問合せやメールやFAXでの画像確認などで行っていた業務を、マーケットプレイス上のやりとりのみで完結することができます。
簡単、便利に検索できますので、電話やメール、FAXでの回答を待つことなく、すぐにコストを抑えたヘッドライトAssy交換をカーオーナー様へご提案いただけます。
気になる点がございましたら、お問い合わせください。
お問い合わせフォームはこちら
まとめ
現在市場に出回っている内の9割の自動車は、平成10年9月以降に製造された自動車であるため、
今回のロービーム審査の過渡期終了の影響を受けるとされています。
あまりテレビや新聞、その他のメディアで大々的に取り上げられている事柄ではないのですが、「事前にお客様へお伝えすること」と「事前に部品を準備することでコストを削減する」などを行うことで皆様の業務効率化につなげていただけますと幸いです。