2025年4月からの車検を受けられる期間延長で得られるメリットと注意点

ご存知でしたか?
3月中の車検は有効期間が短縮される場合があります!

車検の重要ポイント

継続車検の期限前受付期間の延長については皆さんご存知と思われますが、ちょっとした勘違いで大きなお客様トラブルになりかねないケースをご紹介します。

1. 制度変更の概要

2025年4月1日から車検は有効期間満了日の「2か月前から」受けられるようになります。

2. 最も重要な注意点

移行期(令和7年3月中)に車検を受けると、車検の有効期間が短縮される場合があります。

3. 具体例の比較

上側(赤色) : 令和7年3月31日に車検を受けた場合
→ 元々令和7年5月15日までだった有効期間が令和9年3月30日までに短縮されます。
下側(緑色) : 令和7年4月1日に車検を受けた場合
→ 元の有効期限と同じ日付で更新され、令和9年5月15日まで有効期間が維持されます。

この違いは車検のタイミングを考える上で非常に重要です。早く車検を受けたいが有効期間を短縮したくない場合は、4月1日以降の受検を案内しましょう。

出典

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継続車検の期限前受付期間の拡大について

国土交通省は道路運送車両法施行規則を改正し、2025年4月1日から継続検査(車検)を受けられる期間を拡大します。現行制度では車検証の有効期間満了日の「1か月前」からとなっていますが、改正後は「2か月前」から受検可能となります。この制度変更は、年度末における車検の集中緩和自動車整備士の働き方改革を目指す重要な取り組みです。

■ 現行制度 : 車検証の有効期間満了日の「1か月前」から
■ 変更後  : 車検証の有効期間満了日の「2か月前」から
■ 実施時期 : 令和7年(2025年)4月1日施行

制度変更の背景と目的

この変更は自動車整備業界が長年直面してきた課題への対応策です。特に3月に集中する車検業務による現場の混雑と整備士への過重負担は、業界全体の大きな懸案事項でした。

主な目的】
年度末(特に3月)における車検の混雑緩和
自動車整備士の働き方改善
整備業界の労働環境改善

民間整備工場への影響と対応策

顧客行動の変化・車検業務の季節変動への影響

お客様の行動も変化し、車検の申込みを早めることが可能になります。これまで3月に集中していた車検需要が1〜2月にも分散されると予想され、それにより業務量の季節変動が緩やかになるでしょう。繁忙期の作業負荷が軽減される一方、従来の閑散期だった1〜2月の業務量が増加することが見込まれます。これらの変化により、主な影響範囲は大きく下記の3つに分類されます。

【主な影響範囲
1.業務フローの最適化
2.収益・キャッシュフローへの影響
3.マーケティング戦略の調整

これらの影響範囲とその対策について、詳細をご紹介します。

①業務フローの最適化

現場では、車検業務の平準化によって作業効率が向上し、整備士の負担軽減と品質向上が期待できます。また、整備士のシフトも改善され、特に年度末の過重労働が解消されることで、職場環境も大きく改善します。

対応策

  • ・車検作業の標準時間の見直し(余裕を持った時間設定)
  • ・整備士のシフト改善(特に年度末の過重労働解消)
  • ・車検専門ラインと一般整備ラインの柔軟な運用
  • ・デジタル化、自動化による効率向上(予約・顧客管理システムの充実)

②収益・キャッシュフローへの影響

収益面では、月別の変動が緩和され、より安定したキャッシュフローが期待できます。3月に集中していた収益が1〜3月に分散されることで、繁忙期の残業代などの人件費削減も可能になるでしょう。

対応策

  • ・月別予算、売上目標の見直し
  • ・キャッシュフロー予測の再設定
  • ・部品、消耗品発注計画の調整(1〜2月の在庫を適正に)
  • ・季節変動を考慮した人員計画、シフト管理

③マーケティング戦略の調整

車検需要の期間拡大に伴い、マーケティング活動の時期も調整する必要があります。新制度についてお客様に周知することで、コミュニケーションの機会が増えることもメリットの一つです。単なる対応すべき課題ではなく、早期車検受付によるお客様満足度向上や、年度末の混雑緩和をアピールポイントとしてマーケティングに活用することでビジネスチャンスが広がります。

施策例

  • ・顧客、車両管理システムの見直し、拡充(車検2か月前からの案内に変更)
  • ・ホームページからの入庫受付システムの見直し、拡充
  • ・車検予約キャンペーンの時期調整
  • ・「2か月前車検予約特典プラン」等のキャンペーン施策(季節商品、冬タイヤ点検サービス等)
  • ・「早めの車検で混雑回避」などのメッセージ展開
  • ・車検時期拡大のメリットを謳ったガイドの作成、配布により周知

これらの施策をホームページや各種SNSに掲載してメールやLINE、SMSでお知らせすることで効率的に入庫促進が行えます。

継続車検の期限前受付期限の拡大について

導入準備のスケジュール


2025年1〜3月

・お客様への積極的な周知活動
・スタッフ教育と新業務フロー訓練
・新制度移行のモニタリング体制確立

2025年4月

・新制度完全導入
・実施状況の評価と調整

おわりに

この制度変更は、自動車整備業界にとって、長年の課題であった年度末の車検集中と整備士の過重労働問題への対応策です。前向きに取り組むことで、多くのメリットを得られる可能性があります。

期待されるメリット

業務の平準化による整備品質の向上
スタッフの労働環境改善によるモチベーション向上と人材確保
お客様満足度の向上(混雑緩和、予約取りやすさ)
繁忙期の過重コスト削減と閑散期の稼働率向上によるコスト効率改善

この変更を単なる制度変更と捉えるのではなく、サービス品質を見直す好機と捉え、積極的に対応していきましょう。お客様への十分な周知と社内体制の整備を計画的に進めることで、スムーズな移行と事業拡大の両立が可能になると考えています。

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