軽自動車検査証電子化-かわら版解説-
自動車検査証記録事項の二次元コードに誤り
かねてより、「自動車検査登録手続の申請者利便の向上」に向けて「車検証の電子化」と「OSS制度」、「記録事務代行制度」などの施策が進展してきています。
昨年の普通自動車の車検証電子化に続いて、軽自動車についても2024年1月より車検証が、電子化されました。
しかし、2024年1月12日に軽自動車検査協会から、【不具合情報】閲覧アプリで出力可能な自動車検査証記録事項の二次元バーコードについてという重要なお知らせが更新されました。皆さんはご存じでしたでしょうか? 内容としては、弊社かわら版85号でもお伝えしましたように、電子車検証閲覧アプリで検査対象軽自動車の「自動車検査証記録事項」を印刷した際の欄外右下に印字される二次元コード(QRコード)に不具合が発生していました。
参照:軽自動車検査協会
具多的な不具合の内容としては、閲覧用アプリから出力した記録事項の二次元コードを読み取ると、「コード3」に格納されている項目の内、「軸重(前後)」及び「軸重(後前)」が本来の9、10番目の順序ではなく、本来13番目に置かれるはずの「近接排気騒音規制値」の後の順序としてまちがった結果が表示されるといったものでした。 二次元コードが本来の仕様※1とは異なる順序で表示されるように作成されてしまうという不具合です。 ※1:検査対象軽自動車の自動車検査証の電子化について 令和6年1月∼各帳票に表示する二次元コードの仕様書(コード3) 今回の不具合が発生した期間は、2024年1月4日~2024年1月12日までの9日間の間です。 現在はすでにこの不具合は修正されており、本来の仕様通りに当該項目が表示されるようになっています。(2024年2月2日時点)
今回不具合発生時でも、電子車検証自体の券面記載事項とICカードとしての機能には何ら問題はございませんでした。
今回の不具合発生時における注意点と対応
では、今回のような不具合が発生した場合に起こりうる皆様への影響はどのようなものなのでしょうか?そしてその対策は?
それは、「今回の不具合発生時に出力した記録事項を読み取ると、システムに正しく読み込めない可能性がある。」ことです。
本来の仕様通りではない順序に「軸重(前後)」「軸重(後前)」「近接排気騒音規制値」が入れ替わってしまっています。ですから、今回不具合発生時に出力した「自動車検査証記録事項」のQRコードのままでは、次回以降の読み取り時に機械的エラーが発生してしまう可能性があります。
もし、機械的エラーが発生してしまいますと、本来車検証閲覧アプリからデータ出力した情報を自動で取込む整備用・鈑金用のシステムなどでは、手入力や他の方法で直接車両情報を入力しなければならなくなってしまいます。
また、データ入力エラーが発生してしまうと、OSS申請や記録事務代行を行う際に必要なPDFデータ等も発行できない可能性があります。冒頭でお伝えしましたように、「自動車検査登録手続の申請者利便の向上」のための車検証閲覧アプリですが、本来の効果を十分に得られなくなってしまいます。
一方で、ただ不具合に影響されているだけではなく、対策を講じることもできます。
それは…、ただもう一度記録事項を出力してしまうことです。今回発生した不具合は、期限が2024年1月4日~12日までの間だと判明していますので、再度記録事項を出力するだけで簡単に前述しました次回以降の読み取り時のエラーを予防することができます。
再度出力した記録事項をシステムに保存しておいても良いですし、対象期間に書き換えを行った軽自動車のカーオーナーへお渡しするのも親切ですね。
今回は、軽自動車の電子車検証閲覧アプリで発生した不具合について解説しました。
不具合が発生してしまいましたが、車検証が電子化することで業務が効率化することは間違いありません。ただ、不具合が発生したからと言って車検証の電子化や他の施策に対応しないわけにはいきません。
冒頭でも触れたように、「自動車検査登録手続の申請者利便の向上」に向けた施策にはほかにも、「OSS制度」、「記録事務代行制度」などがあります。これらについても、ブロードリーフ ミライでは解説していますので、ぜひご覧ください。
今回不具合発生時でも、電子車検証自体の券面記載事項とICカードとしての機能には何ら問題はございませんでした。