OBD検査システムがつながらない?!まさかの時に使える「特例措置の適用条件」とは?
目次
自動車業界、特に指定工場様にとってOBD検査システムは、今までになく重要な役割を果たします。しかし、システム障害や通信エラーなどが発生した際、検査がスムーズに行えなくなる可能性があります。そんな時に知っておきたいのが「特例措置」です。
今回の記事では、OBD検査の特例措置と、その適用条件について、なるべくわかりやすく解説します。
特例措置とは?
特例措置を適用した場合、「警告灯による合否判定」が行われます。
異常を示す警告灯が点灯または点滅していない場合、技術基準に適合するものとして扱われ、特定DTC照会アプリによるOBD検査をおこなわなくても不適合とはみなされません。ただし、以下条件を満たすことが必要です。
特例措置の適用条件とは?
OBD検査が行えない場合で、整備工場側に責任がないケースに限り、一定の条件を満たすことで特例措置が適用されます。具体的な条件は以下の通りです。
適用できる場合
①OBD検査用サーバーに障害が発生している
②OBD検査用サーバーのアップデート
サーバーのアップデートはポータルで事前告知あり
③通信障害や電力障害が発生している
自社で確認した場合はエビデンスを残すことが必要
①②③いずれの場合でも、特例措置が適用される否かは、必ず「OBD検査ポータル又はコールセンター」でご確認ください。
また、特例措置が適用される開始タイミングと終了タイミングはそれぞれ異なりますので、下図をご参照ください。
※ローカル側の特定DTC照会アプリにおけるアップデート時のエラーについては、下記リンク先の国土交通省通達をご確認ください。
適用できない場合
下記条件の場合には特例措置は適用できませんのでご注意ください。
①整備工場側の機器(Wi-Fi など)の障害
②整備工場側の検査用スキャンツールの不具合
③対象車両のOBD不具合
④OBD確認のみを行なう場合
特例措置を適用した場合の指定整備記録簿の記載方法
・「OBD検査結果」欄の「良」に○印を記載するとともに、「走行テスト等の方法と結果」欄にテルテール点灯状況(点灯又は点滅していないこと)の確認結果を記載すること。
・テルテールの点灯状況について写真又は動画で記録すること。この際、撮影日時がわかるもの(時計等)を当該写真又は動画内にあわせて記録しておくこと。
まとめ
OBD検査システムは、まさかの事態にも対応策が設定されています。「完成検査ができない!と慌てないためにも国土交通省の資料で正しい手順を事前に把握されることをお勧めします。
参考資料リンク先はこちら
■国土交通省|OBD検査関係法令・通達集
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_OBD_regulation.html
■第6章OBD検査の運用にかかる事項 PP.74-83
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/OBDkensa-regulations_S06.pdf
■特定DTC照会アプリのアップデート時にエラーが発生した場合の取扱細則について
(令和6年7月30日付国自整第98号)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001761203.pdf
※本記事に掲載の情報は作成時点での情報です。最新の情報は、国土交通省のホームページをご確認ください。OBD検査に関する最新情報は、常に変化しています。この記事を参考に、ご自身の整備工場に合った対策をご検討してください。