【#1改正電子帳簿保存法編】 整備・鈑金工場様を取り巻く今覚えておいて頂きたい10のポイント~電子帳簿保存法、インボイス制度、OSS、OBD車検、エーミング~

このコラムについて

本記事では、2023年5月に開催された弊社セミナー「整備・鈑金工場様を取り巻く今覚えておいて頂きたい10のポイント~電子帳簿保存法、インボイス制度、OSS、OBD車検、エーミング~」の内容を元に2024年6月時点の情報で加筆修正し10回に分けてお伝えしていきます。

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セミナーでお伝えした内容

「100年に一度の変革期」と呼ばれていますが、整備、鈑金工場の皆様を取り巻く環境は、まさに激変しています。本セミナーでは、その中でも特に「法規関連」についてお話しします。
(今回のコラムでは、「改正電子帳簿保存法」についてお伝えします。)

改正電子帳簿保存法


電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、スライドにあります通り「国税関係の帳簿・書類の電子データでの保存」を認める法律です。

「改正」と書いてあります通り、この法律、実は歴史が長いです。
もともとは1995年に成立しました。1995年と言えば、お分かりのようにWindows95が発売された年です。
パーソナルコンピュータ、つまりパソコンが広く認知、普及しだした年に、パソコンを使った会計処理に対応できるように作られた法律です。

そのころ(1995年)と今(2023年)では、パソコンの性能もインターネットの普及度も、回線の速度も何もかもが違いますよね?なので、電子帳簿保存法は何回も改正されてきているのです。つまり、今後も改正されるでしょう。

何を申し上げたいかというと、電子帳簿保存法の対応は、今、何かをやれば終わり、という単純なお話しではなく、今後も技術の発展に併せて法改正対応に迫られる可能性が高いということになります。
だからと言って、現在の法律に違反するわけにはいきませんので、出来るだけ先読みした対応が求められるとお考え下さい。先読みの内容についてはこれからご説明していきます。


国税関係の帳簿・書類とは?

いったんお話を元に戻しまして、「国税関係の帳簿・書類」とは何の事でしょうか。

なるべく簡単にお話ししますと、
「帳簿」とは、会計ソフトなどで作られる仕訳帳とか総勘定元帳などを指します。
「書類」とは、損益計算書や貸借対照表、見積書や請求書、納品書、領収書などを指します。

ここで覚えておいていただきたいのは、「書類の重要度」になります。一見わかりにくいのですが、税務署の方が監査の時に確かめたい書類の優先度とお考えいただくとイメージがしやすいかもしれません。
お金の流れに直結し、仕訳帳の明細行と直結して資金や物の流れを示す書類が「重要度高と中」となります。「高」にはつまり契約書や領収書が該当し、「中」には請求書や納品書、送り状などが含まれます。
逆に、見積書や注文書は「重要度 低」となります。あいみつを取られたりしたら1つのご契約に複数のお見積書が作られたりしますし、ご注文いただいてもメーカー欠品で在庫が無く販売に至らない、ということもあると思います。なのでこれらの重要度は「低」と設定されています。
ちなみに、これら書類の重要度によって保存のルールなどが変わりますがココでは割愛いたします。

今回の改正内容はご覧の内容となっております。
まず一つ目が、先ほどお話しした「帳簿」についてです。こちらは「緩和」されて、「紙保存でもデータ保存でもどちらでも認められることとなりました。
二つ目が「スキャナ保存」です。紙でもらった書類をそのまま紙で保存しても、スキャナで読み取ってデータで保存してもどちらでも認められることとなりました。従来、スキャナで電子化して保存する際にはかなり煩雑なルールがありましたので、こちらも「緩和」されました。
三つめが「電子取引」です。

「電子メールなどでやり取りした書類」、「パソコンのブラウザなどでやり取りした情報」が対象です。これら、データでもらった書類はデータで保存することが義務付けられました。つまり、印刷して紙でファイリングしていたら、書類として認められないということです。これが今回覚えておいていただきたいポイントの①となります。

電子取引はすでに行われています

お客様からよくお聞きするお話しに、「でもウチでは電子取引なんてしてないから」というのがありますが本当でしょうか。
こちらに、「電子取引で受け取る場合」のありがちなケースを羅列してみました。
FAINESなどのネットで閲覧するタイプの請求書や領収書は電子取引となります。
また、受信したFAXを紙に印刷せずにパソコンの画面で見ると、これも電子取引です。

「意外とあるな」とご認識頂けると幸いです。

ご参考までに、FAINESの画面を見てみましょう。見慣れた方も多いと思います。
マイページから、「利用状況の閲覧」>「利用履歴・明細の確認」を開いていただくと、決済状況の確認ができます。

そこから任意の期間を選択いただき、「PDFファイルをダウンロード」をクリックしていただくと「FAINES利用明細」をご確認いただけます。
この様にインターネットのウェブサイトからダウンロードできる請求や支払に関する情報も「電子取引」に該当します。つまり、「電子で保存が義務化」された対象となります。言い換えると、紙に印刷して保存することはNGということになります。

電子取引は拡大の一途

さらに、私たち自動車整備・鈑金業が発行する電子書類も確認しておきましょう。

最近では、お客様とのやり取りで「見積書」「納品書」「請求書」「領収書」などをパシャッと撮影してLINEで送ったりする場合があるかと思いますが、これも電子取引だということはご認識ください。

そして、覚えておいて頂きたい10のポイントの2つ目は、
「紙の書類は、スキャナ保存が簡素化」されたということです。

紙で受け取ったり、渡したりした書類はスキャンしてパソコンなどに取り込むことで簡単に電子データ化できます。

このスライドの画像はフラットベッド型と言われるスキャナーをイラスト化していますが、現在ではもっと便利な機会がございますので、せっかくなのでご紹介しておきます。

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