無料整備ソフトのメリットや選び方!有料ソフトとの比較も解説

近年では様々なソフトウェア・システム・アプリケーションが無償になりつつあり、「無料はイマイチ」という時代から「無料でもある程度できる」に変わりつつあるように思います。GoogleマップやYouTubeなどは、無料でありながらも十分に利用できるサービスだと思います。

そんな中で、「自動車整備に関わるソフトも無償のものでいいのでは?」と思われるのも当然かと思います。今回は無料のソフト・有償のソフトの違いを記載させていただきながら、どういったものを選べばいいのか?についてご説明させていただきます。

無料整備ソフトのメリット

メリットについては、なんといっても価格かと思います。会社経営をされている方であれば、「経費は可能な限り抑えたい」と思われるのも当たり前かと思います。また、導入も簡単なので、すぐに始められるメリットがあります。 

また、有償の整備ソフトでも”リース契約で導入する”のものと比較すると、今後の収益によっては契約したソフトのリース料が経営を圧迫することもあります。その点、無料であれば、そういった心配がないため、メリットといえます。

ただ、良いことばかりではなく、以下の注意点を理解した上で御社にとって最適のシステムを検討していただくことが重要です。

注意点①:整備業務の環境変化への対応が困難

100年に一度の変革期と言われていますが、自動車整備に関わる業務も変化が続いています。いまから5年前と比較しても、「車検証電子化」「特定整備」「OBD点検・検査」「車両総額表示」「インボイス」など、国や行政の動きも活発化しており、業界も変化しています。

無料の整備ソフトでは、無料であるがゆえに法改正などへの対応が難しいとされています。また、他社の有償ソフトに乗り換えるにしても、コンバート(データ移行)ができるかなど課題が残ります。

 注意点②:業務のひろがりへの影響

よくあるお客様の声として「あの時は販売(車両販売)をしていなかったけど、今は販売がメインになっている」などよくお伺いします。過去から比較しても市場の環境変化を察知し業態を少しずつ変えていくことはよくあることと言えます。

古い話では、昔は自転車屋さんとして生計を立てられていた方が自動車整備を行うようになったり、もともと鈑金工場だった会社が県内有数の整備・販売事業者になったりなど様々です。

無料の整備ソフトでは、そういった業務のひろがりになかなか対応できず、また「顧客管理」として利用するのであれば、「整備はこっちで販売はこっち」などの運用では、情報が点在し、顧客対応はもちろん、業務に影響が出てきてしまいます。

注意点③サポート体制の不充実

整備のソフトなどは、顧客管理から伝票発行・販売管理(入金・請求)まで実施できる反面、これらの使い方や活用方法について、問い合わせや使い方ガイドがしっかりしていなければ、なかなか使いこなすことができません。

裏を返せば、使いこなすことにより今までの手間や困りごとが解消され、有償で発生していたコストを上回るリターンを得ることができます。

無料の整備ソフトでは、これらのサポート体制はほとんどありません。問い合わせしなくても使いこなせる自信のある方は、無料の整備ソフトの機能不足にご不満を持たれるケースがほとんどです。

注意点④データがなくなるといったリスク

無料・有償も同様ですが、少し前に流行したランサムウェアなどのウイルス被害や雷、浸水などでPC内のデータが無くなってしまうことがあります。

また、無料の整備ソフトでは、Windowsのアップデート後に不具合を起こしてしまうケースもあり、アップデートしなければウイルス被害への懸念が残ってしまうなど様々です。

Windowsのアップデートを実施しなければ、整備に必要なアプリケーション(車検証閲覧アプリなど)が動かなくなるなど、アプリケーション側もアップデートを促しているため、PC内にデータを残している場合は注意が必要になります。

有料の整備ソフトのメリット

今まで、無料整備ソフトの注意点をお伝えしてきましたが、ここからは、「なぜ有償のソフトがいいのか?」について記載をしていきます。

メリット①:高度な機能と拡張性

有償のソフトでの大きな違いとしては、「データベースの有無」かと考えられます。具体的には、「50系プリウス(後期)Sグレードのブレーキパッドはいくらかかるのか」「作業にかかる時間はどれくらいなのか」「車検証情報をすべて入力しなくてもいい」など、事前に情報があることで、”調べる手間・時間”が圧倒的に短縮されます。また、お客様への案内もその場で行えるため、受注につながりやすくなります。

拡張性として、整備ソフトといいながらも、同じソフト内で鈑金や車両販売もできるソフトウェアが使えるのであれば、「以前は整備だけだったけど、これからは鈑金もやりたい」などといった業態の変化にも簡単に対応できます。

メリット②:安定したサポート体制

有償のソフトでは、ほとんどの場合はサポート体制が用意されています。Windowsへの対応はもちろん、ソフトの利用上で困った点に対する解決策も用意されています。

整備ソフトは業務で毎日使うものだからこそ、壊れてしまうなどといったことがないよう、サポート体制が充実している有償ソフトにメリットがあると言えます。

データセキュリティの強化

クラウドタイプの整備ソフトであれば、先ほどあったPCが壊れてしまう・ウイルス被害にあってしまうなどの問題は解決されるといえます。

クラウドタイプの整備ソフトは、「専門家による管理」「ウイルスや新たな脅威への対応」が随時実施されているため、自社の端末に保存するよりも安全だと言われています。

無料から有料へ切り替えを考えるポイント

現在、無料の整備ソフトをお使いの方であれば、以下のタイミングで切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

業務効率向上のニーズ

新規開業後は馴染みのあるお客様は数名であり、管理する必要性が薄いかもしれません。ただ、ある件数(顧客が50名を超えたあたり※推定値)を超えたあたりから、”管理”が必要になってきます。

ひとつのシステムやソフトで管理することにより、考える手間や時間を削減し、代わりに手を動かす時間に充てていただくことをオススメしており、この点で言えば、データ移行ができるかどうかも含めて、早めの対応をオススメしています。

コストとのバランス

有償の整備ソフトは一定のコストが発生します。これらは費用感をみながら自社にあった最適なものを選んで頂ければと思います。

ちなみに当社では、月額6,700円から利用した分だけ課金が発生する仕組みとなっています。別途でサポートが必要な場合など、御社に合うご提案ができればとと思います

クラウド型自動車整備業務支援システムの[ご紹介はこちら][料金シミュレーションはこちら

長期的なビジネス展望

自動車自体も変化してきており、業界も国もデジタル化を目指しています。昨今では、今後どうなっていくのかが、今まで以上に読めなくなってきました。

最近では、余ったスペース(土地)を活かして、車両販売(中古車在庫)をされる方も増えてきてきたり、簡単な鈑金であれば自社で対応されるケースが増えてきています。 

今後どうなるかが見えない以上は、どうなっても柔軟に対応ができるソフトをオススメしています。(いざ切り替えるにしても、データ移行から覚えるまでも大変です)

有料の整備ソフトの選び方

整備ソフトの選び方は様々ありますが、整備ソフトは一般的に頻繁に変えるものではない点からも、先々を見据えて検討していただくことをオススメしています。 

様々な整備ソフトがありますが、コストと先々の展開を見据えて、御社に合うものを選択していただく必要があります。以下では、選ぶにあたってのポイントを記載します。

実績と信頼性の確認

先ほどと重複しますが、整備ソフトは頻繁に変更するものではないとされています。そのため、選ばれる整備ソフトは一定の実績と信頼性が重要です。

10年以上、整備ソフトとして提供している会社はそれまでの豊富なノウハウを有しておりますし、様々な顧客からの要望や業務・運用に対して理解を持っています。

また、長く使うものだからこそ、安心して利用できる会社を選ぶこともポイントです。今後もずっとお付き合いできそうかどうかも選ばれるポイントのひとつになってきます。

業務に合わせた機能

今の業務と比較して使いやすいものかどうかは重要なポイントです。先々を見据えながら、もっとも使いやすいものを選んでいただくことが重要です。

ただ、”完璧なソフト”は存在せず、ある程度はソフトに合わせて業務を変えることが必要となってくると思います。

どこまで許容できるか?今どれだけ便利になりそうか?そもそも使いやすいか?見ただけでなんとなく動かせられそうか?など様々な視点で選んでいただくことが重要です。

これからを見据えた選択

前述から、これからどのように変化していくのか?は不透明な時代になってきています。これからを見据えて、幅広く対応できそうなのか?という視点は非常に重要なポイントといえます。

今までの実績と信頼性(過去)→業務に合わせた機能(現在)→これからを見据えて(未来)といった考え方で有償の整備ソフトを選んでいくことが重要だといえます。

ただし、「これからを見据えて」という点で、リースでのご契約では、事業縮小をしたくとも縮小できないといったことも発生します。”これから”に柔軟に対応していくためにも、月額契約をご検討していただくのもひとつかもしれません。(月額では補助金が利用できないケースもあるため、個別のご相談が必要です)

有償の整備ソフトの費用対効果は?

実際にシステムを導入するにあたり、一番気になるところとして、「費用対効果」だと思われます。「有償のソフトがいいのは分かるけど、ちゃんと効果がでないともったいない」と考えられるのは当然です。

ここでは、よくお伺いする点をまとめて記載していきます。
有償の整備ソフトは安価なものから高価なものまで様々ですが、実際に導入するにあたりまして、以下の点がポイントとなり導入を検討されるのがいいでしょう。

①集客・売上アップ

整備ソフトで売上ってあがるの?というご質問は多く頂きますが、基本的な点(車検案内を送る・以前提案していた作業,部品の提案をするなど)から応用(LINEにて電子クーポンを付与して集客に繋げる)など様々なことが整備ソフトで可能になります。

②生産性アップ(業務の省力化・効率化)

様々な情報をひとつのソフトで管理することで、業務の効率化を目指すことができます。例えば、過去の修理,販売履歴をひとつのソフトで管理する。ソフトの中でOSS申請を実施する。特定整備対象車両をアラートでお知らせなど・・・様々な業務をひとつのソフトで完結させることで生産性を高めることができます。

鈑金はAというソフトで、整備はBというソフトで、販売はCというソフトなど分けてしまうと、業務の導線(動き)が複雑化し、思うような効果が得られないといったことがあります。

③社内体制の強化

一定規模の整備事業者様になると、社内体制を強化し、ミスや不正が起こりにくい仕組みを作り上げることが必要となってきます。有償の整備ソフトも様々ありますが、体制強化に役立てる仕組みづくりが果たせるソフトをオススメしています。
 

以上3点がよくある有償整備ソフトの導入効果と言われています。①集客・売上アップ②生産性アップについては、定量的に算出ができるため、導入することにより、どれだけの効果が得られそうかを算出させていただければと思います。当社では、そういったご相談にのることも可能ですので、是非お気軽にお問い合わせください。

③社内体制については、なかなか定量的に測ることが難しいとされていますが、魔が差すといったことで、思わず不正をしてしまう方がいらっしゃいます。一定規模を超えたあたりで、今後の事業リスクを低減させるために導入される方がいらっしゃいます。

コストと効果のトレードオフ

有償の整備ソフトは様々な種類がありますが、「事業規模に合わせた整備ソフト」にすることが重要です。実際の価格についてですが、当社の場合は¥6,700円/月~となっており、「必要なものを必要なだけ」「使った分を使った分だけ」といった料金体系になっています。
 

さきほどの「①集客・売上アップ」「②生産性アップ(業務の省力化・効率化)」「③社内体制の強化」の観点で、導入検討されるコストと比較し選ばれるのが最適です。

長期的視点を持って選択

繰り返しになってしまいますが、整備ソフトなど”ある程度中長期で利用するもの”については、「今の業務」だけではなく、将来を見据えて考える必要があります。

将来の変化に対応できるのか?もしも事業拡大した場合は?もしも事業縮小してしまった場合は?などなど、様々な可能性を鑑みて検討することが重要です。

当社の場合では、クラウド型の整備ソフトであるため、必要な機能の追加・削除は簡単に行えるため、繁忙期(3月)だけ、利用できるライセンス数を増やされる方もいらっしゃいます。

整備ソフトはフロント業務の基礎となるため、是非とも「今」と「未来」を見据えた上での費用対効果の検討をされることが肝要になります。

まとめ

無料整備ソフトのメリットと注意点
<メリット>
・ 無料で利用可能であること
・ すぐに利用できる手軽さ

<注意点>
・法改正などの変化に対応しづらい
・事業の変化や顧客管理の複雑化に対処しづらい
・端末に保存するとデータにリスクがある(ランサムウェアやアップデートによるデータ損失)
・サポート面(問い合わせや利用方法のガイドが不十分であることがあります)

 

有料の整備ソフトのメリットと注意点
<メリット>
・データベースや作業情報の迅速な取得が可能
・サポート体制やデータセキュリティが整備されている
・ 業態変化に柔軟に対応可能
・クラウド型ソフトの場合はセキュリティが強固

<注意点>
・有償であるため、御社の事業に合わせた選択が必要
・リース契約である場合は、今後の動向次第で重荷になってしまう可能性

 

無料から有料への切り替えのポイント/有料のソフトの選び方
<切り替えるタイミング>
・一定の規模を超えた場合に管理の必要性が増すため、早めの検討が必要。

<整備ソフトの選び方>
・コストと業務効率向上のバランスを検討する必要がある。
・業界変化や自社のビジョンに合わせて柔軟に対応できるか?
・会社としての実績があるか?ノウハウをどこまで持っているか?
・業務に合わせた機能や使いやすさはどうか?
・業界の変化や自社の展開に合わせた柔軟性があるか?
・リース契約か月額契約かで将来のビジネス展望に対する柔軟性も考慮

 

有償の整備ソフトの費用対効果について
<主な効果>
・集客や売上アップ、生産性の向上、社内体制の強化について効果が得られる
・それぞれの効果を定量的に算出し、導入の効果を評価することが重要

<費用の考え方>
・事業規模に合った整備ソフトを選択することが重要
・事業の拡大・縮小時も機能追加・削除が容易なクラウド型ソフトがオススメ

<考え方のポイント>
・中長期で利用する整備ソフトは、将来の変化に対応できる柔軟性が必要。
・「今」と「未来」の両方を見据えた費用対効果の検討が重要。

それぞれ、メリットや注意点、切り替えのポイントや選び方、有償の整備ソフトでどういった効果が得られるかを記載させていただきました。自動車整備事業者様も、様々な業務の中から重視されるポイントも様々かと思います。今後の選び方や考え方のご参考になれば幸いです。


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